September 20, 2014

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

Gotg

  マーベルユニバースにおいて本来「宇宙を担当する」のはあの四人組
 ファンタスティック・フォーであろう。だが、現在権利関係の問題で
 マーベルでファンタスティック・フォーの映画を作ることが出来ない。
 しかし、アベンジャーズの映画が2,3と続くに当たってはどうしても
 宇宙を担当するヒーロー、あるいはチームが必要だという判断から
 とてもマイナーで映画化が決まるまでほとんど誰も注目していなかった
 このチームに白羽の矢が立った、というのが本当のところなのでは
 ないかと私は勝手に思っている(権利関係で作れないってところは真実
 だよ(笑))。そのピンチヒッター的な映画が全米ナンバーワンになり、
 今年公開の映画で初めて興行収入3億ドル超えを果たしたというのだから
 かなり期待しながら観に出かけたのだよ。
  結論から言うとアメリカが好きそうなポイントがてんこ盛りの映画
 だった(笑)。特に特殊な力は持たないが、口先と度胸だけで宇宙を渡り
 歩く主人公。三つの語彙しか持たないが心優しく、この映画での萌え
 ポイントを一人で背負いきった植物人間。凶暴で平気で嘘をつき銃を
 持って大暴れするメカニックの天才というアライグマ。言わば懐メロと
 でも言うべき70年代のポップスのオンパレード(そう言えばこの映画の
 サントラも新曲が一曲も入っていないのにビルボードナンバーワンに
 輝いたそうな)。今流行りのシリアスなリブートではなく、コメディに
 軸を寄せたスペースオペラだったこともそうだろうし、最後のシーンの
 あざとさもそうだろう(私ももちろんやられてしまったクチだが)。
 いかにもアメリカ人が好きそうな映画だったんじゃないかな。
  と言って決して日本人に楽しめないということはなく、良くできた
 映画だったと思う。洋楽にはとんと疎い私でも楽しめたんだから
 当時の音楽を聴いていた人たちにはたまらないんじゃないかな。
 惜しいのはバウティスタ(いつから「ウ」が入ったんだろう(笑))演じる
 ドラックスのキャラクターが何となく中途半端なこと。グルートと
 ガモーラとロケットそれぞれと少しずつ被っているようなキャラ立て
 になっている気がする。仇をロナンではなく、ジャイモン・フンスー
 演じるコラスあたりにして、その他は我関せずみたいなキャラにしても
 よかったのではないかな。
  75点にしようかと思ったが、最後のあのシーンには正直やられて
 しまってので80点。しかし吹っ飛んでしまったとは言え、コレクター
 のコレクションってすごいな。あんなのまで集めていたなんて、
 恐るべしコレクター(笑)。

  「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
       GUARDIANS OF THE GALAXY
   監督 ジェームズ・ガン
   キャスト クリス・プラット ゾーイ・サルダナ
        デイヴ・バウティスタ ヴィン・ディーゼル
        ブラッドリー・クーパー リー・ペイス
        マイケル・ルーカー ベニチオ・デル・トロ 他

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July 31, 2014

GODZILLA ゴジラ

Godzilla

  実に久しぶりにスクリーンでゴジラの咆吼を聞くことが出来た。それは
 確かに嬉しい出来事だったのだが。
  まずハリウッド映画でありながら、きちんと「怪獣映画」を作ろうとした
 その姿勢は素直に賞賛しておきたい。ただの怪物ではなく、時には神、
 時には悪魔、時にはちびっ子たちの正義のヒーローだった日本のゴジラ。
 そしてあまり知られてはいないが、映画だけではなく、長い間コミックと
 して親しまれてきたアメリカのゴジラ。その両方をきちんと視野に入れ、
 様々な点を考慮に入れつつ真摯にゴジラ映画を作ろうとしているのが感じ
 られ、そこはとても嬉しかった。
  ただ、評価できるのはそこまでかな。この映画の最大の弱点はゴジラが
 主役ではないこと。ゴジラについてドラマがあるのは過去のこととして
 語られる水爆実験までであり、その後ゴジラについてのドラマは一切と
 言っていいほど存在しない。ただ出現して暴れて去って行くだけの存在に
 なってしまっているのだ。極端に言えば最終的に倒す手段さえ考えることが
 出来さえすれば、ゴジラが登場なくてもいい、そんな映画なのだ。
  あと、同じようなモチーフが何度となく出てくるのにも少し引っかかった。
 さぁこれからバトルが始まるぞという肝心なところで場面が切り替わる。
 怪獣が破壊して通り過ぎた後を遠景で描写する。狭いところから広いところへ
 怪獣が通り抜けていった後を人間が追う。これまでかと思わせておいたあとで
 何事もなく復活してくるゴジラ。どこかで見たことのあるシーンだなと思う
 ことは少なくはないが、同じ映画の中で何度も出てくるのはどうかと思う。
 それが特別な効果を上げているのならともかく、何の意味も無く繰り返される
 のはいかがなものだろうか。
  ゴジラのデザインもあまり好みではなかったし、巻き込まれ型の脚本も
 今ひとつ好きになれない。家族の愛が人間ドラマの核になるのは、致し方ない
 としてもそればかりではさすがに辟易してしまう。と、言いたいことが山盛り
 で、素直に乗ることの出来ない映画だったかな、と。
  75点。あれって東宝怪獣じゃなくて大映怪獣だよなぁ。そのあたりの
 デザインワークスももう少しがんばってほしかった。

  「GODZILLA ゴジラGODZILLA
   監督 ギャレス・エドワーズ
   キャスト アーロン・ティラー=ジョンソン 渡辺謙
        エリザベス・オルセン ブライアン・クランストン 他

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June 07, 2014

X-MEN:フューチャー&パスト

Xmen_dofp

  早いものでX-MEN映画もこれで5作目。ウルヴィーのスピンオフも
 含めると7作目ということになる。監督もブライアン・シンガーに戻り
 役者陣もそれぞれのキャラクターをすでに把握していることもあって
 円熟とでも言うべき味わいに仕上がっている。特に今回は歴史改変=
 タイムトラベルものであるゆえ、その構成や脚本によってはわかり
 にくく、ただややこしいだけの映画になりがちなところを、きちんと
 わかりやすく、なおかつ面白い作品になっているあたりはさすがで
 ある。原作のアメコミからして「細かいことにこだわらず、素直に
 ただ楽しむのが吉」なのだから、この映画もその点で考えると満点の
 出来だと思う。
  とは言ってもいろいろと気になるのも事実。その中でもX-MENの
 1,2,そしてファイナルデシジョンとのつながりがひっかかるの
 だが、今回はファーストジェネレーションから始まった新たな3部作
 の第2弾と考え、その前の3本とのつながりはおまけのようなものだ
 と考えるのがいいではないかな。ストライカーに扮したミスティーク
 の手に落ちたウルヴァリンがその後どうなってウエポンXになって
 教授と出会うようになるのかとか、改変された未来では彼の骨格に
 アダマンチウムが移植されているのかどうかとかモヤモヤは残るの
 だが、まぁ今回の改変ですべてリセットされたわけだし、その辺り
 は大きな気持ちでスルーしておこう。
  今回の見所はずばりクイックシルバーの大活躍だ。未来編の
 ミュータントたちが一度ならず悲惨な目に会うのとは対照的に
 彼の能力とコメディリリーフぶりがとてもよかった。一番肝心な
 処理を最後の最後に持ってくるあたりがらしくてよい。未来編では
 ブリンクとコロッサスの連携がよかったし、過去編ではミスティーク
 がいやらしくていやらしくて(笑)。
  ストーリーとは別に気になったのは過去センチネルの造形かな。
 もう少しレトロフューチャーっぽいデザインの方が良かった気が。
 ニクソン大統領と並ぶとさすがにちょっと違和感があった。時代感
 を感じさせるという点から見ても、もう少し原作オリジナルの
 でくの坊っぽい出で立ちで登場して欲しかった。
  ああ、好きなだけに書きたいことが次から次へと出てくる(笑)。
 よって自粛してこのあたりにしておきます。
  80点。はい、贔屓目だよ(笑)。
 
  付記 次回はエイジ・オブ・アポカリプス(最後のオマケで出てきた
 あのお方が敵ヴィランね)というのが決まっているのだが、今回
 歴史改変をやってしまったので、原作では歴史改変ものである
 エイジ・オブ・アポカリプスをどう処理するのか見物である。

  「X-MEN:フューチャー&パスト
    X-MEN: DAYS OF FUTURE PAST
   監督 ブライアン・シンガー
   キャスト ヒュー・ジャックマン ジェームズ・マカヴォイ
        マイケル・ファスベンダ ジェニファー・ローレンス
        ハル・ベリー ニコラス・ホルト エレン・ペイジ
        ピーター・ディンクレイジ エヴァン・ピーターズ
        イアン・マッケラン パトリック・スチュワート 他

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May 09, 2014

アメイジング・スパイダーマン2

Aspiderm2

  格段に進歩したスパイダースイングの描写と、今までなかなか
 描かれることの少なかった戦闘中の軽口、そして何かしらにつけ
 うじうじと悩むキャラクター。今回描かれたスパイディーは
 今までの映画の中で私のスパイダーマン像に近かったと思う。
 冒頭のアレクセイとの戦いを観て「ああ、これこれ!」と思った
 人は私だけではないと思うのだが。
  しかしいくらお約束でわかっていることとはいいながら、彼女
 の最後を何度も経験するのはつらいことだ。何とかああしないで
 済ませる方法はなかったものだろうか。うーん。いや、わかって
 いるんだよ、理屈ではわかってはいるんだが。この後MJが登場
 すると思うとなおさら、ね。
  物語としては上手にまとめているとは思うが、ライノはともかく
 やはりエレクトロとグリーンゴブリンは別々の映画にした方が
 良かったのではないかな。なんとなくドラマの2話と3話をつなぎ
 あわせて作ったかのような印象が強い。二つに分ければピーター
 とハリーの幼少期を描いたりできただろうし、何よりグウェンが
 もう一本分(以下略)。
  75点。あの部屋にドク・オックのアームやバルチャーの羽根が
 並んでいたけど、全部オズコープゆえんのヴィランにしてしまうの
 かな。まぁ、悪役含めた登場人物すべてがご近所お知り合いという
 スパイダーマンらしいけれど(笑)。

 「アメイジング・スパイダーマン2
   THE AMAZING SPIDER-MAN 2
  監督 マーク・ウェブ
  キャスト アンドリュー・ガーフィールド エマ・ストーン
       ジェイミー・フォックス デイン・デハーン 他

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ホビット 竜に奪われた王国

Hobbit2

  感想上げるのをすっかり忘れていた(汗)。

  と言ってもクオリティは下がることなく、テンションも維持、申し分の
 ないパート2だった。「指輪物語」と「ホビットの冒険」の間の語られて
 いない物語を語り、その微妙な温度差を違和感なく埋めて一本の映画に
 仕上げる手腕はさすがとしかいいようがないな。スマウグはもう少し
 どっしりしててもいいかな。まぁ年老いて少しばかり頭のねじがゆるんで
 いるという感じならあれでもいいのかもしれない。
  75点。バルドってレゴラスとちょっと似てない?

 「ホビット 竜に奪われた王国
    THE HOBBIT: THE DESOLATION OF SMAUG
  監督 ピーター・ジャクソン
  キャスト イアン・マッケラン マーティン・フリーマン
       リチャード・アーミティッジ オーランド・ブルーム
       ベネディクト・カンバーバッチ リー・ペイス
       エヴァンジェリン・リリー  ルーク・エヴァンス

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April 03, 2014

ロボコップ

Robocop

  ポール・ヴァーホーヴェン監督による大ヒット作のリブート。
 今、この作品を作り直す意味とは何だろう、と期待して観に
 出かけたのだが、正直あまりいい出来とは言えない作品だった。
  時代が進んで技術が革新され、ロボコップ自体がずいぶんと
 アップデートされた感じだったのは悪くないと思った。データ
 ベースや監視カメラに即座にアクセスして犯人を追い詰めたり、
 ジャンプする軌道を予測して表示する映像などは現代ならではの
 説得力があったし、ドレイファス法やサミュエル・L・ジャクソン
 演じるタカ派キャスターなどは現代アメリカを皮肉っていて
 それはそれなりに面白かった。残されたマーフィの家族という
 着眼点も使い方によっては素晴らしいドラマになっていただろう。
  だが、いかんせんロボコップ=マーフィのキャラクターが
 弱すぎるのだ。前回のロボコップの持っていた強烈なキャラクター
 性を思うと(ロボットであるがゆえの硬い動き、独特で印象的な
 銃の構え方とそれをしまう時の癖、そしてオムニ社の人間は
 撃てないという条件付けとそれを利用したオチ)、今回のロボ
 コップは小粒に過ぎる。前作とは逆にしたマーフィの有り様の
 変化も、全体的なドラマと密接に絡み合ってるとは言いがたい。
 リブートするにあたっては前作とは違うモノにしなければ、と
 いう意気込みは買わなくは無いのだが、良かったところを
 根こそぎ無くしてしまってはリブートする意味が無いのでは
 ないだろうか。
  70点。旧作のテーマソングやロボコップのデザインを使用
 していたのはよかったけど、それだけじゃ、ね。

 「ロボコップROBOCOP
  監督 ジョゼ・パヂーリャ
  キャスト ジョエル・キナマン ゲイリー・オールドマン
       アビー・コーニッシュ マイケル・キートン
       サミュエル・L・ジャクソン 他

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February 28, 2014

キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

Kickass2

  普通の高校生が現実世界で覆面をかぶりアメコミヒーローとなったら、
 という物語を描き、現実と虚構をバランス良く配置し佳品となった前作を
 受けてのパート2。キックアスがいかにヒーローとなっていくかが描かれた
 前作に対し、今回は彼とヒットガールがいかに現実と折り合いを付けて
 いくかを描いた作品と言っていいだろう。派手なアクションやブラックな
 ジョークは相変わらずで、観ていて楽しい作品であったのは事実。前作を
 楽しんだ人なら見て置いて損はないだろう。
  だが、原作と違い、ハッピーエンドにするためにどちらかというと虚構
 寄りに着地した前作を受けて作られたためか、現実と虚構がない交ぜに
 なった感じがツギハギにしか感じられず、奇妙な手触りの映画となって
 いた気がする。主役二人の悩みや重要なキャラクターの死はしっかりと
 現実なのに対し、マザーロシアやアドレナリンなどは虚構。それが融合
 することなくせめぎ合っているために、全体としてギクシャクとした
 イメージが強いのだ。バットマンに例えるとシーンごとにダークナイトと
 怪鳥人間が交互に登場するような感じかな(余計分かりにくいか)。
  あと、星条旗大佐のバックボーン、彼がなぜ宗教に目覚めヒーローに
 なろうとしたか、が描かれていないのも引っかかった。お約束とは言え
 警察のあまりな無能ぶりもどうかと思うしね。
  75点。まぁ何を言っても結局はクロエ・グレース・モレッツが全部持って
 行く映画なんで、彼女が好きならば観ておきましょう(笑)。

 「キック・アス/ジャスティス・フォーエバーKICK-ASS 2
  監督 ジェフ・ワドロウ
  キャスト アーロン・テイラー=ジョンソン
       クリストファー・ミンツ=プラッセ
       クロエ・グレース・モレッツ
       ジム・キャリー 他

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February 09, 2014

マイティ・ソー/ダーク・ワールド

Thor_tdw

  この映画とは関係の無い話だが、近所のシネコンでは扱っていないムビチケ
 の導入以降、劇場に映画を観に行こうという意欲が激減してしまっている。
 前売りの段階で買ってしまって嫌でも観に行かざるを得ないという状況を
 作っていたのだが、それがなくなってしまうとこうも足が遠のくものかと我
 ながらびっくりしている(苦笑)。雷神の勇姿は見逃すわけにはいかず、
 久しぶりに劇場に足を運んだのだが、やはり映画は映画館で観るのが
 いいなぁと今さらながらに思っているところだ。まぁこれからどれだけ観に
 行くかは気分次第だが。

  さて、そしてこのマーベルシネマティックユニバースの映画、雷神ソー単体
 としては第2弾、ソー登場の映画としては第3弾となる作品だが、シリーズ
 ものとしては悪くない仕上がりだったと思う。この作品で初めてソーに触れる
 という観客にはわからない部分が多すぎる映画だとは思うが、ここまで来て
 一見の客のことをそれほど構っていられないというのも事実。これくらいでも
 悪いことではないと思う。
  今回特によかったのは映画によって(そして演じるトム・ヒドルストンに
 よって)複雑な内面を持つ魅力的なキャラクターとなったロキの活躍だろう。
 もともとの北欧神話でも彼がいなければ何も始まらないのだが、底意地の悪い
 だけのオーディンや怪力バカのソーにもっと人間らしい(神に失礼!(笑))
 キャラ付けがされるに連れ、ロキも輪を掛けて興味深いキャラクターに
 仕上がっている。話の内容としては新たなる巨大な悪役が登場してそれを
 ソーが倒すというごく普通と言えばごく普通の筋立てなのだが、登場人物たち
 のキャラクター性と俳優陣の名演のおかげで、ただそれだけではない映画に
 なっていると思うな。
  個人的にはもう少しソーに、そしてムジョルニアに暴れて欲しかった。
 新しい使い方というか技が観たかったかな。最後のドタバタのワームホール
 は、仕組みがよくわからないままコメディの味付けだけに使われた感じで少し
 残念か。
  75点。エンドロールの途中のみならずエンドロール後にもおまけがあると
 いう二段構成に騙されたひとが数人(^^;

  「マイティ・ソー/ダーク・ワールドTHOR: THE DARK WORLD
  監督 アラン・テイラー
  キャスト クリス・ヘムズワース ナタリー・ポートマン
       トム・ヒドルストン クリストファー・エクルストン
       アンソニー・ホプキンス 他

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October 18, 2013

エリジウム

Elysium

  「第9地区」のニール・ブロムカンプによる近未来SF映画だが
 第9地区とは違ってまったくと言っていいほどひねりのないド直球の
 SF映画だった。近未来の貧富の差とそれを象徴するパラダイスと
 スラム街。個人的な理由から始まった楽園への挑戦と、最終的には
 世界全体を救うために自らを顧みることなく行動する主人公。どこか
 で聞いたことのあるようなストーリーがそのまま展開されている
 感じ。だからといって決してつまらないわけではなく、ガジェット
 の面白さも相まって楽しめる映画にはなっていると思う。特に貧富の
 差を象徴するスペースコロニーエリジウムが常に空に浮かび回転して
 いるという映像はなかなかのもの。炸裂弾やエクソスーツ、医療用
 ポッドなどは見ているだけでも楽しい「オモチャ」だったな。
  ただ、ひねりのない分脚本の練り込みが少ないと感じるのも事実。
 ストーリー上の問題だけでなく、作劇上もっと考えなければいけない
 ことが多すぎる気がする。なぜ主役は車泥棒でなければならなかった
 のか。なぜ一旦動き始めたらキャンセルできないような前時代的な
 工場機械だったのか。スパイダーの行動原理は何なのか。足が不自由
 な理由は何なのか。主人公の弟分はなぜあそこまで主人公に義理立て
 するのか。エクソスーツを着た人間と着ていない人間の差異をきちん
 と見せないのはなぜか。エリジウムに辿り着く正規のルートと、維持
 しているシステムが一切語られないのはなぜか。そしてどう考えても
 最後にスパイダーを取り押さえようとしてドロイドに拒否されるのは
 ジョディ・フォスター演じるデラコートの方が良かったと思うのに、
 なぜ早々に退場させなければならなかったのか。考えれば考えるほど
 気になる点が続出する。そういった意味ではやはり脚本が弱いのでは
 ないだろうか。
  75点。あのラストは決してハッピーエンドではなく、人口爆発と
 資源の枯渇、地球の終演につながる結果だと思うのだがさて。

  「エリジウムELYSIUM
   監督 ニール・ブロムカンプ
   キャスト マット・デイモン ジョディ・フォスター
        シャールト・コプリー アリス・ブラガ
        ワグネル・モウラ ウィリアム・フィクトナー 他

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September 21, 2013

ウルヴァリン:SAMURAI

Wolverine_samurai

  不思議な手触りの映画だった。X-MEN、そしてウルヴァリンという
 ミュータントが主役であるはずのシリーズで、今回はウルヴァリン
 本人を除けばどちらかというと人間が重要なパートを受け持っていた
 こと(しかもウルヴァリンは早々にヒーリングファクターを失い、
 対する人間たちも決して普通ではない)。敵が決して単一ではなく、
 それぞれの思惑が複雑に絡み合い、その正体がなかなか姿を現さ
 なかったこと。ハリウッド映画でありながらそこに登場する日本が
 決してカリカチュアされた「JAPAN」ではなく、リアルな「日本」
 であったこと。物語自体がウルヴァリンの流浪と流離の物語であった
 こと。2006年の公開からずいぶんと時間がたっているのに、この
 映画がX-MENファイナルデシジョンに直接的に続く作品であること。
 それら様々な理由からだろう、この映画を観ている間まるでお伽話の
 中にいるようなそんな感じだったのだ。傷つき彷徨うウルヴァリンが
 夢の国に迷い込み自分を取り戻して帰ってくる、そんな受け取り方
 だったのかもしれない。そのせいかマーベル映画には必ずと言って
 いいほどついてくるエンドロール後のお楽しみのシーンでは、一気に
 「X-MENの現実」に引き戻されてしまった。
  映画としては女性陣のがんばりもあり(私が気に入ったのはリラ。
 最初「変な顔」(失礼)と思ってしまったのだが、観ているうちに
 どんどん魅力的になっていった)、なかなかの佳品に仕上がっている
 と思う。飛び道具を持っていないウルヴァリンらしく、肉弾全開の
 アクションも素晴らしいしね。新幹線の上であんなアクションを
 繰り広げるのは日本人にはなかなか発想できないんじゃないかな。
  少し残念だったのはヴァイパーの意図があまり感じられなかった
 ところか。キャラクターを見せるだけで手一杯だった感が否めない。
 あとは「箸」ですかね(笑)。
  80点。トラスク社が出てきていよいよ次はあのセンチネル登場!
 X-MENの戦いはまだまだ続くのだ。

 「ウルヴァリン:SAMURAI THE WOLVERINE
  監督 ジェームズ・マンゴールド
  キャスト ヒュー・ジャックマン 真田広之 TAO 福島リラ
       ファムケ・ヤンセン ウィル・ユン・リー
       スヴェトラーナ・コドチェンコワ 山村憲之介
       ハル・ヤマノウチ ブライアン・ティー 他

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