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February 05, 2013

LOOPER/ルーパー

Looper

  基本的にはよくあるタイムトラベルものの変奏である。この映画
 で特筆すべきは自分の手によって未来の自分を殺そうとするところ、
 そして未来の自分と現在の自分が同じ時間に存在し影響するところ、
 さらには最後のオチ、ということになるだろうか。特にセスに対する
 拷問とその影響についてはそれだけで1本の映画が出来るのではないか
 と思うほどの力を持っていると思う。のちのちラストシーンへの
 ある意味伏線にもなっているし、ここを描いただけでも拾いものの
 1本だと言い切ってしまおう。ジョセフ・ゴードン=レヴィットや
 ブルース・ウィリスの演技も素晴らしいし(さすがに中国での転換は
 笑ったが、がんばってよく似せていたと思う)、微妙な近未来感を
 出す小道具や世界観も悪くなかった。基本的にはよく出来たSF映画
 だと思う。
  さてタイムトラベルを描こうとするとどうしてもどこかで無理を
 するか、知らんぷりをして強行突破するしかなくなってしまう。
 タイムパラドックスと呼ばれるゆえんだ。描きたい要素を描くため、
 いかにしてパラドックスを描かなくてもよいようにするか、作家が
 頭を悩ませるところだ。バック・トゥ・ザ・フューチャーのように
 上手に扱うのは実はとっても難しいのだよ。今回のこの映画でも
 やはりあちこちでタイムパラドックスの行方が気になってしまう。
 ラストシーンの結果殺された子供は生き返るのか?。なぜあそこ
 までの拷問を加えながら生かしておかなければならないのか?。
 ヤング・ジョーとシドが心を通わせたように見える時点での影響が
 オールド・ジョーに全く見られないのはなぜか?。考えれば考える
 ほど気になる点が浮上してくる。
  それが気にならなくなるくらいにするためにはジョーの心情に
 もっとスポットを当てるべきだったのではないかと思う。少なく
 とも小さい頃の母とのエピソードは、シドの境遇とかぶることも
 あって、ぜひ映像として触れておいた方がよかったと思う。それに
 よって最後のあの結末、ジョーのエモーショナルな行動が素直に
 そして強烈にこちらに伝わってくるようになる気がするのだが。
  80点。ルーパーやガットメンの親玉、エイブの正体も一切
 見えてこないのも気になるところだ。

 「LOOPER/ルーパーLOOPER
  監督 ライアン・ジョンソン
  キャスト ジョセフ・ゴードン=レヴィット エミリー・ブラント
       ノア・セガン ジェフ・ダニエルズ ポール・ダノ
       ブルース・ウィリス 他

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