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August 20, 2012

トータル・リコール

Totalrecall

  アーノルド・シュワルツェエネッガー主演、ポール・ヴァーホーヴェン
 監督によって1990年にP.K.ディックの「追憶売ります」をもとに映画化
 されたトータル・リコールの再映画化。今再びこの作品を映像化するの
 にはいくつかの理由が考えられよう。原作のもつプロットやギミックが
 素晴らしい魅力に満ちているため。想像すればほぼすべてが映像化できる
 ようになった現代の技術をもって再び映画化することに意味があること。
 そして90年版の、まるで2本の映画をつぎはぎしたような感じを払拭し
 1本の映画としてまとめること。その点では今回の映画化は成功だった
 と言えるだろう。特にアクションは素晴らしく、それに引っ張られる
 ように、全編通して破綻することなくストーリーが一気に流れていく。
 明らかにスーパーマン然としたシュワちゃんと違い、コリン・ファレル
 は普通の男から凄腕諜報員までの振り幅を見事に演じてみせるし、
 女性二人の体をはったアクションも素晴らしい。短い出演時間ながら
 抜群の存在感を示したビル・ナイも◎。アクション映画としては及第点
 をクリアしていると言っていいだろう。
  だが、P.K.ディック原作の映画として考えると色々と言いたいことが
 あるのも確か。自分はナニモノか、自分の記憶はどこまで信用できるか、
 そして、今の自分は起きていて現実にいるのか眠っていて夢の中にいる
 のか。そのあたりの「めまい感」こそが大事なのではないだろうか。
 その点ではおもちゃ箱をひっくり返したような印象の強い前作の方が
 ディックらしかったのではないかな。今作で言えばリコール社で記憶を
 植え付けられようとする時にブラックアウトしていた方がいいと思うし、
 コーヘイゲンの片腕だった頃の自分からのメッセージがないのも物足り
 ない。主人公がもっと逡巡し、迷い、自分というものの存在感を根底
 から揺り動かされる、そういう場面がもっと欲しかったところだ。
  75点。「フォール」の映像化は歓迎。こういうハッタリ、もっと
 映画に取り入れてくれればいいのにな。

 「トータル・リコールTOTAL RECALL
  監督 レン・ワイズマン
  原作 フィリップ・K・ディック「追憶売ります
  キャスト コリン・ファレル ケイト・ベッキンセール
       ジェシカ・ビール ブライアン・クランストン
       ビル・ナイ 他

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