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December 26, 2011

リアルスティール

Realsteel

  ストーリー自体はよくある話─というかほとんど王道と言っても
 いいくらいの物語。社会や世間から疎外されて愚行を繰り返すダメな
 父親、その父親に捨てられ孤独に育ってきた息子、そして廃棄処分
 されていた旧式のロボット。それぞれがそれぞれに影響されつつ
 自分の居場所を見つけていくサクセスストーリー。もちろんそれが
 いけないと言うのではない。決して嫌いではないし、単純な私は
 単純に感動してしまう。ディズニーだけあって安心して観ていられる
 良質な映画に仕上がっていると思う。
  だがSF好きとしては食い足りないというのも事実。ATOMの出自や
 その特異な性能が秘密のベールにつつまれたまま終わるというのは
 まだ許せる。あえて描かないという手法もありだろう(本音を言うと
 そこのあたりも描いて欲しいのだけれど)。だが、廃棄処分されていた
 言わばポンコツのATOMが、連戦連勝で二年の長きにわたり無敗無敵
 のチャンピオンといい勝負をするにあたっては、何かしらの仕掛けが
 必要だと思うのだ。スパーリング用に造られたから頑丈であるとか
 シャドー機能を上手く活かせばいい勝負になるとか、その辺りの描写
 をひとつひとつ丁寧にきちんと描いて欲しいのである。勝負モノの
 映画ではいつも言っているように、そこに「戦いの力学」がなければ
 ならない。一度負け、修行によって新しい必殺技を身につけ、最後は
 いい勝負になって、ひとつのひらめきや、前振りをしておいたヒント
 によって紙一重のところで勝ち抜ける。そういう力学が欲しいので
 ある。すなわちジャッキー・チェンの「蛇形拳猫爪崩し」、キング
 コングの雷帯電というわけだ。
  なぜファラ・レンコヴァがATOMを買おうとしたのかも謎のまま
 だし、ロボットにレギュレーションがあるのかどうなのかも一切
 描かれていない。マックスはルール違反だと叫ぶが、そのルールも
 はたしてあるのかどうか。映画終了後、あの試合の後の二人と一台の
 行く末が心配で仕方がないと感じてしまうのも、描かれるべきものが
 描かれていないためだと思うのだが。
  75点。ピープルズチャンプってのは向こうでどのくらいの重み
 なのだろう。ロック様と不可分?(笑)。あ、あとエヴァンジェリンは
 とてもいい女だったね(惚)。

  「リアルスティールREAL STEEL
   監督 ショーン・レヴィ
   キャスト ヒュー・ジャックマン ダコタ・ゴヨ
        エヴェンジェリン・リリー 他

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