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February 02, 2010

かいじゅうたちのいるところ

Wildthing

  全世界で2000万部を売り上げているという有名なロングセラー絵本
 「かいじゅうたちのいるところ」を原作に「マルコビッチの穴」の
 スパイク・ジョーンズが実写映画化した作品。元の絵本はわずか40頁、
 しかも文章は最小限、ほんの少しなので、この絵本をどう2時間の映画
 にするのか興味津々で観に出かけたわけだが。
  基本的なストーリーは絵本も映画も同じ。登場するかいじゅう達の
 造形もほぼ絵本通りなのだが、私には絵本と映画はまるで違うモノに
 思えた。もちろん原作者モーリス・センダックが映画を絶賛している
 ことからも絵本と映画が共有しているものがしっかりとあるのは確か
 だが、その表現というか描き方が正反対、ネガとポジのような関係に
 なっている、そんな気がしたな。絵本のかいじゅうたち─英語では
 THE WILD THING(野生のもの、荒々しい存在)─は主人公マックスの
 「もっと遊びたいもっと暴れたい」という気持ちを単純に表している
 のに対し、映画のかいじゅうたちはそれだけでなく、寂しさだったり
 怒りだったり、繊細なところや強がりなところ、少年時代の複雑で
 ナーバスな心の内を様々に表しているのだと思う。それはおそらく
 スパイク・ジョーンズの子供時代や子供の頃のこの絵本に対する読み方、
 向き合い方が大いに反映されているのだろう。絵本の描かれていない
 部分、ページとページの間にある部分を膨らませて映画化するにあたり
 これはこれで一つの手だとは思う。もちろん賛否両論あるだろうし
 はまる人とはまらない人に真っ二つに別れるだろう映画ではあるので
 万人に薦められる映画ではないだろうが。決して子供向けの映画では
 ないしね。ただ原作の絵本が好きな人にはぜひ観て欲しい。人それぞれ
 様々な読み方が出来るのも絵本の魅力の一つなのだから。

 「かいじゅうたちのいるところWHERE THE WILD THINGS ARE
  監督 スパイク・ジョーンズ
  原作 モーリス・センダック 英語版はこちら
  キャスト マックス・レコーズ キャサリン・キーナー
       ジェイムズ・ガンドルフィーニ ポール・ダノ
       ローレン・アンブローズ フォレスト・ウィテカー 他

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