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August 03, 2009

ノウイング

Knowing

  丁寧に作られた映画ではある。

  この映画にはいろいろな側面がある。ディザスター(災害)映画で
 あり、SF映画であり、オカルト的な側面も持ち、そして中核には
 家族の愛情を描こうとしている。まずディザスター映画としては
 満点に近い迫力と無力感を持っていると言えるだろう。3件起こる
 大災害、そのすべてが圧倒的に迫ってくる様は、今までになかった
 素晴らしい出来だったと思う。飛行機事故をノーカットで描いて
 みせ、次の事故ではこれでもかと隠すことなく人をなぎ倒していく。
 そしてそこに居合わせることになる主人公の無力感もいい。SF映画
 としても世界規模の大災厄にきちんと説得力を持たせることに成功
 している。そう来るかとうなってしまった。確かにこれでは何を
 しても助かりそうにない。オカルティックな面もなかなかよかった。
 謎の数字の羅列とその謎解き。最後の数字を発見するくだりなどは
 ありがちではあるが上手いと思うし。
  ただこの映画の問題は──ややネタバレになるかもしれないが
 どうしても書いておきたいのでご容赦を──そのすべての要素を、
 上手く丁寧に作られたすべての側面を「キリスト教」映画として
 着地させようとしたところにあると思う。預言、エゼキエル書、
 四つの車輪を持つ神の戦車メルカバー、それに乗る四人の天使、
 エデンの園と世界樹、そこに残される一組の男女=アダムとイブ。
 キリスト教圏に住んでいる人間にならば、ある程度予想も出来、
 考えがそこに及んでいるためにラストをすんなりと受け入れること
 もできるのかもしれないが、そうではない日本人の私にとっては
 まるでどこかのカルト集団が作り上げた映画のような印象になって
 しまった。そこに着地させるのなら、もっとやりようがあったはず
 である。だいたい、すでに選びは終わっていて、その他の人間は
 全て残すのであるのなら「預言」は必要ないはずではないか。
 もっと徹底的にキリスト教映画として、それを前面に出して作って
 いればもう少しすんなりと受け入れることが出来たのではないかと
 思う。その上でメルカバーを見たかったな。卒論で天の玉座を題材
 に選んだ私はそう思うのですよ。
  75点。ダイアナ余計なことするなよ〜と思わせてしまうのも
 この映画ではかえって失敗なのではないかと。

  「ノウイングKNOWING
   監督 アレックス・プロヤス
   キャスト ニコラス・ケイジ ローズ・バーン
        チャンドラー・カンタベリー ララ・ロビンソン 他

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