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January 29, 2009

地球が静止する日

Earthstoodstill

  '51年に製作された古典SF映画の傑作「地球の静止する日」のリメイク。
 50年代というのは他にも様々な傑作SF映画が作られ、まさに黄金期とも
 言えるのだが、その中でも「地球の静止する日」は、冷戦という世界状況と
 時代の世相に真っ向から疑問を提示した傑作中の傑作である。確かに今
 観るとSFXはちゃちなものだが、全編を通して貫かれるシリアスなタッチと
 深刻なメッセージ性は現代にも通用し、もし宇宙人が地球に来たらという
 リアルなシミュレーションにおいて実に素晴らしい映画である。つまり
 この映画をリメイクするというのはハードルが実に高いのだ、というお話。
  さてその上でこの「が」であるが、基本的にはよく考えられているし
 オリジナルの精神やデザイン、細かいところをきちんと尊重していて
 悪くないリメイクになっているとは思う。地球外の意識体が段々と人間
 らしくなっていくキアヌの演技も素晴らしいし、クラトゥをメッセンジャー
 からジャッジにしたのも今のこの何もかもが不安定で不確かな時代に
 合っていると思う。
  ただクラトゥのもたらしたもの、オリジナルのクラトゥが地球に伝え
 ようとしたことがきちんと地球人に伝わってないところが大問題だと思う。
 あの流れだと下手すると宇宙人を撃退して人間万歳!と思う人間も少な
 からずいるはずなのだ。それではオリジナルのもっとも肝心なところが
 ピンぼけになってしまう。あの名シーンをラストに持ってくるのはいいと
 して、少なくとも、その結果を重く受け止める人間の様子を描写すべき
 だったのではないだろうか。
  75点。あの方舟描写だけはいかがなものかと。生態系ごと持って行か
 ないと無意味だろうし、ああいう捕獲ならDNA採取で済むはずだ。

  「地球が静止する日THE DAY THE EARTH STOOD STILL
   監督 スコット・デリクソン
   キャスト キアヌ・リーブス ジェニファー・コネリー
        ジェイデン・スミス キャシー・ベイツ 他

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