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August 28, 2007

ベクシル

Vexille

  今日からまた仕事なのだが、開始が午後5時からだったので午前中の時間を
 利用して「ベクシル」を鑑賞。

  映像は水準を超えていると思う。フル3DCGで作られたアニメーションと
 いうだけで人を呼べる時代は過ぎ去ったとは思うが、この映画の映像は売りの
 一つにはなる、それくらいのクオリティーには達していると思う。さすがに
 キスシーンとかロングショットになった時の細かい人間らしさには、まだまだ
 工夫の余地があるのだが。
  だがこの映画の問題は物語の方にある。巻き込まれ型の主人公だから、ある
 程度仕方ないとは言え、米国海軍軍人にあるまじきそのひどい醜態ぶりだとか
 レオンの存在意義がどこにあるのかとか、細かい気になる点もたくさんある
 のだが、最大の問題点は「日本=大和重綱=キサラギ」のイメージが一点に
 像を結ばないことだろう。世界のロボットシェアのそのほとんどを占めると
 いうビジネス面の巨大さと、日本という国全体をああまで動かし変化させて
 しまう権力面の巨大さ。その巨大さと、旧態依然とした典型的なマッドサイ
 エンティスト、しかもかなりの小者ぶりのキサラギとが、どうしても一致
 しないのである。あんな小者ではアメリカや、いやそれ以前に過去に対決した
 であろう日本政府と互角にやりあえるようには思えないし、生き馬の目を抜く
 ビジネス界(しかもブラックマーケット!)で諸外国とやりあってシェアを維持
 できるとも思えない。そこがきっちり設計されていないので、せっかくの
 ハイテク鎖国や生体金属のアンドロイド、金属に盲目的に食らいつくジャグと
 いった面白く料理できるはずの素材が、無駄にでかいだけのハッタリでしか
 ない、という状況に陥っている気がする。映像や音楽も重要な映画の要素では
 あるが、やはり設計・脚本がしっかりしていないとダメだという見本のような
 映画だったかな。
  70点。いっそマリアを主人公にした方が良かった気が。
 
  「ベクシル 2077日本鎖国
   監督 曽利文彦
   声の出演 黒木メイサ 谷原章介 松雪泰子
        大塚明夫 森川智之 菅生隆之 他

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