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June 17, 2007

300

300

  この映画は子供には見せられない。画像処理によって一枚ヴェールがかかり
 生々しさは薄れてはいるが、何せ首が飛ぶ手が飛ぶ足が飛ぶ。血しぶきが画面
 狭しと踊り狂うのだから。暴力的というよりは暴力そのものという感じ。
 しかもそれが「美しく」撮られているのでは年端もいかぬ子供には見せては
 いけないと思う。
  その上ストーリーは単純この上なく薄っぺらいと言えばそう言えなくもない。
 CGで作った映像特有の「突き抜けない感じ」がそこここでする。アメリカ人の
 アメリカ万歳映画だという批判はどうかとは思うが、確かに歴史映画としては
 ギリシア人もペルシャ人も英語でしゃべっているという時点で問題外。実際の
 スパルタ兵の装束もあんなに身軽な物ではなかったらしいし。
  だがそのすべての欠点を補って余りあるほど、この映画は私のポイントを
 的確に突く「漢(おとこ)の映画」だった。何も望まずただ「忘れないでくれ」
 と言い残し、絆の勝利を信じて死地に赴くレオニダス王とその仲間の姿、
 そしてその絆の元に集った最後のギリシア軍の姿に、久しぶりに劇場で涙して
 しまった。この映画の欠点をすべて認めた上で、なおこの映画に惹かれる、
 そんな人と友達になりたいものだ。
  85点。フランク・ミラーの絵をただなぞるだけでなく、その核だったり
 魂だったりをここまで映像化するのは、それだけでもすごいことだと思う。

 「300
  監督 ザック・スナイダー
  原作 フランク・ミラー
  キャスト ジェラルド・バトラー レナ・ヘディー
       ドミニク・ウェスト ロドリゴ・サントロ 他
  *こちら原作本(翻訳版)映画のアートブック

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