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February 12, 2007

ピンチクリフ・グランプリ

Pinch

  学生の頃、「王と鳥(やぶにらみの暴君)」や「真夏の夜の夢(トルンカ)」
 のように名前は知っているが観ることができなかった作品がいくつもあった。
 そのうちの一つがこの「ピンチクリフ・グランプリ」である。それが劇場の
 大きなスクリーンでしかもデジタルリマスターで観ることが出来るのだから
 幸せな時代になったものだ。
  確かに時代を感じるし、前半部の日常を描くあたりは冗長ではある。これ
 でもかとアニメートを見せつけるような楽団の演奏部分や車を作り上げる
 シークエンスは、物語全体のバランスから考えればもっとバッサリと切って
 もいいだろう。
  だが、この作品にはその難点を補って余りある魅力が詰まっている。冗長
 だと感じるだろう箇所もその細かい執拗なまでのアニメーションには感心
 するばかりだし、とにかく観てもらえれば一目瞭然。事細かにあげなくても
 いいとは思う。だが、どうしてもレースシーンの素晴らしさだけは言って
 おかねばなるまい。それはまるで現在のF−1中継を観るかのような臨場感
 で迫ってくる。人形アニメでどうやったらここまでの画が出来るのだろうか
 と思うことすら忘れて見入ってしまった。ひょっとしたらF−1中継の
 スタッフがこれを参考にして画面構成を考えたのではないだろうか?と
 言っても誰も不思議に思わないだろう。古さを全く感じない。このレース
 シーンだけでこの映画を観たかいがあったというものだ。30年も前にこれ
 だけの作品を作った監督に敬意を表すばかりである。
  その歴史も考慮に入れた上での85点。私はあの丘の上には住めないな
 (高所恐怖症(笑))。

  「ピンチクリフ・グランプリ」The Pinchcliffe GRAND PRIX
   製作・監督 イヴォ・カプリノ
 
  付記 いつもは字幕版を観るのだが、今回はその声優陣の豪華さに
     つい日本語吹き替え版を観てしまった。おそらく78年日本
     初公開時の吹き替えであろう、そのキャストは
     八奈見乗児 野沢雅子 滝口順平 冨田耕生 大平透
     横沢啓子 大塚周夫 田の中勇 富山敬 牟田悌三 他
     今考えると実に豪華絢爛である。

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