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May 09, 2005

阿修羅城の瞳

ashurajo

  劇団☆新感線の代表作とも言える舞台劇を映画化した作品。
 私にとって面白い作品となるはずの要素はとにかくてんこ盛りだった。
 鬼の跋扈する「どこかの」江戸時代と鬼斬り。義賊を生業とする渡り巫女と
 それにとりついたいわくありげな痣。力に酔いしれて鬼に魂を売り渡すライバル、
 それを手練手管で意のままに操ろうとする鬼の女首長。面白い舞台を書くためだけに
 生きている戯作者、印を結び護摩壇を燃やす鬼斬りの長。天空に天からぶら下がる
 ように現れる鬼の城とそれとは天地逆となって燃え上がる江戸八百八町。
 書きだしていくだけでたまらなくなるはずのものばかりだ。
  その上美術・キャストともに申し分のない仕事をしていた。無国籍を思わせる
 冒頭の祭のシークエンス、椿の花片が降り積む中を歩いていく出門。存在感が
 素晴らしい舞台小屋。そしてキャストの方は宮沢りえの演技が光っている。
 決して好きではないが、市川染五郎の出門もがんばっていたし、渡部篤郎の
 キレっぷりはいつものこと。モンスター遭遇役者(笑)螢雪次郎も出ていたし
 鶴屋南北の小日向文世もいい味を出している。誉める所ばかりのはずなのだが…。
  いかんせん映画が盛り上がらないのだ。山になる所はいくつもあるはず。
 阿修羅城の出現や大江戸炎上、出門と邪空の戦い、最後の出門と阿修羅の戦い。
 これで盛り上がらなくてどうするんだとさえ思うのに、なぜかお話は平板に
 推移していく。そういう描き方が合う映画もあるのではあろうが、どう考えても
 この「ケレン味」たっぷりであるはずの映画に、その描き方は合っていない。
 前に陰陽師2でも痛い目にあったが、やはりこの監督と私の趣味は合っていない
 のかもしれない。あとは演劇が原作となっているせいか、台詞に頼りすぎでは
 ないかとも感じたな。もっとバッサリ切った方が盛り上がるはず。
  というわけで面白くなるはずなのにやれやれと感じてしまう映画だった。
 今川泰宏監督でアニメ化すると面白いかも(無責任)。ギリギリの70点。

  「阿修羅城の瞳
   監督 滝田「陰陽師2」洋二郎
   キャスト 市川染五郎 宮沢りえ
        渡部篤郎 内藤剛志 小日向文世 樋口可南子 他

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