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March 18, 2005

ローレライ

lorelei

  平成ガメラ三部作の特技監督で名をあげたマルチクリエイター、樋口真嗣の
 初長編監督作品である。本来なら見に行くかどうかギリギリの映画なのだが、
 樋口の仕事ということで観に行くことにした。
  全体としてがんばってはいると思う。キャスティングもいいし、アメリカ側の
 描写も日本映画にありがちなチープな感じではなくしっかりとしていて好感が
 持てる。アニメや特撮映画でつちかった構図の取り方の妙は相変わらず冴えを
 見せているし、多少の難はあるとしてもCGも合格ラインには達していると
 思う。素直に観ていれば楽しめる映画ではあるだろう。
  だが、おすぎが艦長の日本帝国軍人にあるまじき長髪を指摘したのにも
 表れている通り、この映画には致命的な弱点がある。それは確固たる世界観、
 あるいはこの映画全体を支配する雰囲気というものを確立し得てない点だ。
 時代考証を厳密にして当時の潜水艦戦闘を再現したのではローレライという
 システムは浮いてしまうだろう。逆にローレライシステムに世界を合わせようと
 すればこの映画よりももっと現代寄りに傾いてしまう。そのあたりの整合性を
 考えているうちに中途半端な地点で映画が出来上がってしまった、そんな気がして
 ならない。完全なパラレルワールドの世界の出来事にするか、ローレライシステム
 をもっと怪しげなモノにするか、もっと思い切って良かったのではないか、
 そんな気がしている。
  初の長編としては合格点に達していると思うので、これからの樋口の仕事には
 さらに期待をしている。変に役者に迎合することなく、自分の思う絵を撮り
 続けて欲しい。期待料を込めての75点。
  柳葉の死があるのだから佐藤隆太のエピソードは不要。潜水艦に残って艦長と
 ともに行動するもっといい脚本が書けたのではないだろうか。

  「ローレライ
   監督 樋口「平成ガメラ」真嗣
   原作 福井晴敏
   キャスト 役所広司 妻夫木聡 香椎由宇 柳葉敏郎 石黒賢
        ピエール瀧 國村隼 佐藤隆太 小野武彦 堤真一 他

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