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March 29, 2005

鉄人28号

28go

  ご存じ横山光輝原作、今まで四度もアニメ化された鉄人28号の実写映像化作品。
 予告を見た限りではとても心配な作品だった。そのCGの出来があまりに貧相だった
 からだ。一昔前のCGに良く見られたのっぺりとした質感、そして質量感を一切
 感じさせない巨大に見えない鉄人の動き。これでOKを出したスタッフによる作品が
 いったいどんなものになるのか、とても不安だったのである。
  結論から言うと心配したほどひどいものではなかった。危惧していたCGの出来も
 ドラマの中、まわりの風景との兼ね合いのせいかそれほどひどくは思えなかったし
 脚本もある程度の水準には達していたと思う。男の子が冒険の後にちょっとだけ
 成長する、典型的なジュブナイルに仕上がっていたし、いじめっ子が応援するという
 王道も嬉しい。いくら開発者の息子だからと言ってなぜ一介の小学生に世界の命運を
 決める鉄人を操縦させるのかとか、あれだけのロボットを作っておきながらなぜあの
 程度の破壊活動しかしなかったのかとか、細かい所を気にしなければそれなりに
 楽しめる映画にはなっていると思う。
  だが、それでもどこか釈然としないのは、なぜ今鉄人を実写映画化するのか、
 今鉄人を実写映画化することの意味、そしてその意義はどこにあるのか、という
 ことが考えられていないためではないかと思う。「鉄人を実写化する」ただそれだけ
 のために作られた映画のような気がしてならないのだ。少し前なら特撮技術の研鑽の
 ためにこの手の映画を作るという、そのことだけでも意味があったのかも知れないが
 極論すればCGであらゆることが出来るようになった現在においては、それでは
 通じないはずだ。その映画を作る意味がしっかりしていなければ、傑作は産まれない
 と思う。思い切って原作通り昭和30年代をしっかり再現してみせるのも手だった
 ろうし、もっと突き抜けて少年探偵が銃をぶっ放してもOKの世界観にするという
 手もあっただろう。この映画のままの設定・世界観で作るためには、もっと細かい所
 を煮詰めていかなければ絵空事で終わってしまいかねない。それは映画を作り始める
 以前の問題、なぜこの映画を作るのかというところから逆算して考えなければ
 ならないことであるはずだ。
  それでもまぁ70点はあげてもいいかな。パンフレットはいい狙いです(笑)。

   「鉄人28号
    監督 冨樫森
    キャスト 池松壮亮 蒼井優 薬師丸ひろ子 香川照之
         阿部寛 柄本明 中村嘉葎雄 他

  今日のNHKのプロジェクトXははからずもたたら製鉄の復活の物語だった。
 見ていて心が震えたな。「鉄」には男の子のロマンが輝いている。私はそんな
 時代に育ちました。

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4月1日の映画の日に見てきました。夕方から3本。 まず1本目は「鉄人28号」。映画の日というのにお子ちゃま連れ家族含む5人での鑑賞。ゆったり見れましたわ。 なかなか内容的には面白かったと思う。鉄人28号とブラックオックスのロボットがCGで重圧感がなかったけど・・... [Read More]

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