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January 14, 2005

悪魔の発明/ほら男爵の冒険

kzeman

  おととしこれでもかと観たはずだったカレル・ゼマン。だがあれだけ観ても
 まだ観ていなかった幻の長編があった。それがこの二本である。特に「ほら男爵─」
 の方は日本での初劇場公開とのことで楽しみに観に出かけた。といっても
 両作品とも私が生まれる前に出来ている作品なのだが(苦笑)。
  「悪魔の発明」の方はジュール・ベルヌの原作を正面から堂々と映像化した
 作品なのだと思う。2Dから3D、書き割りからセット、ミニチュアから
 切り紙アニメへと自在に行き来するゼマン独特の作風はこの作品の時点で
 完成に近いし、全体を銅版画調に仕上げた映像は一見の価値がある。
 だがやはり少々古さを感じてしまうのだ。理性を持たない科学の暴走への警鐘という
 SFでは王道とも言えるべきテーマをそのまま映像化したこの作品はやはり
 当時の時代性を感じながら観なければ少し退屈に映るかも知れない。
  「ほら男爵の冒険」の方はもう手放しで喜んだな。この物語はもともとは
 ドイツ民話でたくさんの本が出版されている。外国の絵本で美しいのがあり、
 それを彼女にプレゼントした思い出があったりするので(笑)。まぁそれは
 テリー・ギリアムの「バロン」の時も同じ思いだったのだが。閑話休題。
 砲弾に乗って戦地を行き来したり、大魚に飲み込まれたまま旅行したりと
 おなじみの男爵のエピソードをからめつつ、メインストーリーは現代(あるいは
 未来)の宇宙飛行士が月で男爵に出会い、男爵のイマジネーションの世界に
 連れて行かれるというオリジナリティー溢れるモノになっているのがいい。
 男爵の粋なほらがゼマンの映像魔術にかかるとここまで素晴らしいモノになる
 のかと感動。モナリザと一夜を共にする男爵(やせ我慢(笑))カッコいいゼ。
  「悪魔─」は75点。「ほら男爵─」は80点。年上の佳品に敬礼。

  「悪魔の発明」「ほら男爵の冒険」 VYNALEZ ZKAZY / BARON PRASIL
   監督 カレル・ゼマン

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